ロンドンWE2058-Cを整備してもらいました

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 (電蓄HMV3000の上に乗せたロンドンWE2058-Cです)
 
 先日、2058-CをWE13aシステムのウーファーのドライブアンプに使おうとしましたが、ゲインが不足して断念した事を書きました。
S/Nにも問題があったため、これを期に整備をお願いしました。最初に真空管を全数チェックしてもらいました。
 前段の2本の球(12AX7)は既に新品にしてありましたので、出力管の6L6G合計8本と整流管5U4の2本です。

 まだ使える球もあったのですが、既に御臨終間近の球もあり、この際出力管は全球交換、新品のタングソル6L6Gに8本全て取り替えました。
 整流管の5U4の2本は元気だそうで、取り替える必要はありませんでした。

 ご存知の方には釈迦に説法ですが、6L6Gは現在もギターアンプなどで頻用されているGT管、6L6GC(ベンプレ親父も自作のシングルアンプに使用し、グッドマンAXIOM22を鳴らしています)の前身となるST管です。
 6L6GCより一回り大きなサイズですが、球としては6L6GCの方がプレート電圧が上げられ、出力が出せるそうです。
 2058-Cは6L6Gのパラプッシュですが、測定してもらうと出力は32Wくらい、その後の時代の真空管アンプに比すると大出力ではないですね。

 2058-Cは1955年の製造ですから、ロンドンWEの2080、2090、2094などからなる映画館用巨大スピーカーのドライブアンプでした。
 普通の映画館は6L6Gのプッシュプルアンプが使われていた様ですから、パラプッシュの2058-Cは大規模館用だったと思われます。

 ALTECは1957年に6CA7p.p.の1568Aと6CA7パラP.P.の1569Aを発表し、映画館や施設の規模に合わせて使い分けていましたが、ロンドンWEも6L6Gp.p.と6L6Gパラp.p.を使い分けていたのだろうと思います。

 なお2058-Cにはもう一本、球が刺さっています。
 この球は6V6ですが、パワーアンプのメインの出力とは別に、モニタースピーカーを鳴らすためのシングルアンプの出力管だそうです。

 この球は逆さにするとチューブの中のゴミが落ちてくるほど傷んでいました。メインの回路とは別ですが、これが無いと6L6Gパラプッシュの回路が調子を崩す様で、マツダ6V6GTに取り替えてもらいました。

 映写室には別に小型のモニタースピーカーが備えてあるものですが、6V6はコレを鳴らしていたのでしょう。
 なんか雰囲気があってよろしいな―、映画の「ニューシネマパラダイス」を思い出しますね。

 整備を行ってもらうと同時に、アンプのゲインも20dbから26dbに上げてもらいました。
 自宅に持ち帰り、改めて球を指す前に、全てのソケットを細い綿棒とイソプロピルアルコールで清拭しました。
 これをやると中古アンプも自分のアンプになった気がしますなw

 S/Nも申し分なくなり、さて、この大物で何を鳴らすか。
 もう計画は立ててありますw

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