タンノイ・オートグラフを導入しました(その5.)

5.TV 385A .JPG
 (購入したオートグラフに入っていたHPD385AはTV用に使用する事にしました)

 今回入手した進工舎製オートグラフエンクロージャーに入っているHPD385Aの他に、ベンプレ亭にはモニターゴールドのコーン紙に張り替えたHPD385A(HPDゴールドと命名)があります。
 さあ、進工舎製オートグラフ箱にはHPD385AとHPDゴールドのどちらを納めるべきでしょう。

 オートグラフはモニターシルバーからゴールドまでのフィックスドエッジで軽い、硬質のコーン紙を使ったものでないとダメとの世評があります。
 ですからオートグラフにHPD385Aは問題があると言われてきました。
 箱との相性はその通りかもしれませんが、ユニットとしてはHPD385Aは悪いユニットではない、モニターゴールド以前のユニットに必ずしも劣っていないと私は考えています。
 
 しかし五味先生は、「タンノイユニットはオートグラフの箱に入れないとキツイ音になる」、「オートグラフに入れたデュアルコンセントリックユニットこそ本当のタンノイの音」、「一つのユニットに真に適合する箱は一つだけである」、「ユニットを単独で販売するのは罪悪だ」といった趣旨の文章を書いておられました。

 バスレフ用に開発されたHPD385Aをオートグラフ箱に入れると、ユニットのQ値が高すぎてダメなのかもしれません。
 しかし以前に聴かせて頂いたHPD385A入り進工舎箱オートグラフは大変な美音でした。
 さらにベンプレ親父はモニターゴールド入りオートグラフを聴いた事が無いのです。

 うーむ、ここは無理をせず、HPD385Aで行くのがお利口かも?
 いやHPDゴールドを納める事が出来るのに、そちらを使わない手は無いのかも?

 心は千々に乱れますなーw

 すこし話が戻りますが、自分が最初に手に入れた本格的なスピーカーは、タンノイHPD385Aユニットです。浪人生活を1年で終了させ、日本大学医学部に潜り込んだ1977年の春に、今は無き秋葉原のキムラムセンで、名物おばちゃん(キムラのおばちゃん。ファンの勝手連がたくさんいて、キムラのおばちゃんの首振り人形まであったそうです)から定価ペア20万円のHPD385Aを16万円で買いました。
 このユニットを自作のバスレフ箱(当時タンノイで売られていたアーデンというスピーカーに容積、ダクト面積、ダクト長を合わせました)に入れて7年間使いました。

 その後、このユニットは暫く取ってありましたが、ウレタンエッジがヘタッてきたときに、モニターゴールド用コーン紙に貼り替えてもらい、現在は110Lの密閉箱に入れてリビングのTV用スピーカーとして活躍しいます。
 悪くない音だと思っています。

 私はHPD385Aの評判がイマイチなのは、米国資本時代に大変良く売れたアーデンのせいではないかと考えています。
アーデンは大型の海外製フロア型スピーカーとしては値段がこなれていました。ユニットが一本10万円に対し、エンクロージャーに入れて定価20万円とお買い得なスピーカーでした。
 しかしコストダウンで箱にお金がかけられなかった分、明らかに剛性が足らず、締まりのない音だったと思います。

 学生時代、友人の友人で、父親がアーデンをクォード44+405で鳴らしているN君と相互訪問をした事があります。
 目的はアーデン+QUADと、私の自作箱に入れ、自作真空管アンプ(窪田式SRPP型真空管プリ+上杉式KT88シングル)で鳴らしているHPD385Aの聴き比べでした。

 私には私のタンノイの方がどう聴いても良い音に聴こえました。彼も同意見で、私のタンノイを聴いて「こんな音が出したいんだけどなー」と言ってくれました。
 私の自作バスレフ箱はバッフルが36㎜厚(18㎜厚ラワン合板2枚重ね)、バッフル以外は24㎜厚のラワン合板を使用しており、アーデンよりよほどシッカリしていたと思います。これが音の違いに出たのでは。

 一度も観た事も聞いた事も無いのですが、タンノイユニットを用い、剛性の高い箱に納めたロックウッド社のモニタースピーカー(メジャー、メジャージェミニ)は、アーデンとはまるで違うガッチリした音と聞いた事があります。

 なにが言いたいのかと言いますと、HPD385Aは箱で評判を下げたのであって、巷で思われているより、よほど良いユニットだという事です。

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