EMT139stのレプリカをGet !!(その1.)

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 (左側が今回入手した、20世紀オーディオ技術社のEMT139st Bレプリカです。右のシャーシはその電源部です。それにしてもスゲー会社名ですね、オランダの会社だそうです。https://www.jpvanvliet.nl/index.html

 ベンプレ亭書斎のメインLPプレーヤーはEMT927stです。針はもちろんTSD15です。
 フォノイコライザーはオリジナルのEMT139stで聴いています。927、930のユーザーは139stではなく外部のフォノイコを使っておられる方が多いようですが、私の聴いた範囲では139stは素晴らしく音の良いフォノイコだと思います。

 927は元々馬力のある音が特徴ですが、139stを通すとその馬力が倍加、エッジのキリッとしたいかにも「独逸」という感じの音で凄いと思います。

 この139stの音の魅力は知る人ぞ知るです。なぜなら139stの完動品は年々減っていて、その音を聴いている人も次々と鬼籍に入られていますから。

 139stの生産されていた年月は意外に短く、1959年~1963年だそうですから、生産台数も少ないでしょうし、60年ほど前にディスコンになった器械です。動作品の数が少ないのも、失われた物が多いのも仕方ないですね。

 1986年にステレオサウンドが企画して、カウンターポイント社が139stのレプリカ、SA-139stを作った事がありました。
音は良かったのかもしれませんが、これは回路も球(6DJ8でした)もトランスも全く違い、似てるのはサイズと形だけでした。

 さて私のEMT139stは購入当初は好調でしたが、その後2回調子を崩しました。その都度、親切な方に修理して頂きましたが、二回とも接触不良やCRパーツの寿命でした。

 今回3回目の不調に陥り、もう一度修理をお願いする事にしましたが、バックアップの139stが一台あればなぁと考えていました。
 真空管やCR回路は何とかなると思いますが、139stはHAUFE製の2個の入力トランスと2個の出力トランスが入っています。このトランスが切れたらオシャカですね。

 出力トランスの事は良く判りませんが、アンバラ出しなら回路を変更すれば無くてもイケるかもしれません。しかしMC入力トランスは必須でしょう。
 
 入力トランスに139stはハウフェのT210という40倍昇圧比のヤツを入れています。
 時代が下がってトランジスター式フォノイコの155stになると、やはりハウフェのT890という10倍昇圧比のトランスに変更されました。
 T890はいまでもオークションなどでたまに見かけ、私も2個ケーシングした物を持っています。しかしT210は探した範囲では見当たりません。

 もし139stがトランス断線でオシャカになったら、もう139stの迫力満点の音を聴くことは出来ないなぁと思っていました。

 しかし139stの音を今後も聴いていきたい927、930使いの人が今もいるのでしょうか、あるいは155stを使っていて、139stに交換したい人もいるのでしょうか、オランダの20th century audio technologiesという会社が139stのレプリカを作り、日本のサウンドボックスが輸入代理店になって輸入が開始されました。

 EMT139stがディスコンになって57年後の事です。

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