EMT/OFD25が使えません…orz&菅野沖彦先生が亡くなられました
現在,TSD15の新型を付けて鳴らしているEMT927stですが、このTSD15は新しく買い求めたもので、付いてきた針は写真のTSD15旧型と、モノラル用のOFD25でした。
右がステレオ用のTSD15旧型で接点はダイヤ型です。左はモノ用のOFD25で、接点は水平に2個あるだけです。由緒正しい、クラシック・スタイルですね。
知られたことですが、本来は水平二連だった接点が、ステレオが出現したときに上下に接点を付けることになりダイヤ型の4点接点になりました。
そのままでよかったと思うのですが、ある時点でダイヤ型を90度回転させ、現在の四角型の接点になりました。
これでは旧来のモノラル針が使えなくなって困ると思うのですが、何故かこうなった様です。
さて、旧型TSD15は針が曲がっていて使えないのですが、モノ針OFD25は使えるはずです。
今夜、EMT927stに取り付けてある、オルトフォンRMA297に取り付けてみました。
※ここまでのブログでアームはRMG297と書いていましたが、RMA297の間違いでした(以前のブログ記事も直しておきました)。
TSD15は割合大ぶりなカートリッジなので、てっきりGシェルサイズだと思い込んでいましたら、Aシェルサイズでした。
297はRMGが無く、RMAしか無い様ですね。
RF297、RMA309はSPU用で、32gのSPU-Aを取り付けるとゼロバランスになります。RMA297は17.6gのEMT TSD15を取り付けるとゼロバランスになります。
RMA297はオルトフォン製ですが、TSD15の専用アームなんですね。一般への市販はされたのかな?
さて、RMA297にOFD25、取り付けてみたのですが、上記の事情でアームで針圧を一番軽くしても、針圧が15g弱もかかってしまい、調整できる範囲を大きく逸脱していました。
ダメですね。RMA297にはOFD25は付かないんですねー。
改めてEMTカートリッジの諸元をネットで拾ってみますと、TSD15は17.6ℊ、OFD25は33ℊと自重が全然異なります。
実測してみましても、旧型TSD15が17.3g;、新型TSD15が17.5g;、OFD25が32.3gでした。
RMA297はオルトフォンがEMT927用、TSD15用に開発したものの様で、17.6gのTSD15を取り付けて、針圧0gとしますと、ゼロバランスがとれるようになっていました。
これに33gのOFD25を取り付けたら、針圧をゼロに設定しても、15g程度の針圧になってしまいます。
33gというのは、実はSPUの自重です。
R80、927Fまでのモノラル時代のアームRF297の後期型を私は長く使いましたが、これは本来SPU用のアームでした。
OFD25は当時の標準機であったSPUと同じ重さにしてあったのですね(OFD25が先で、SPUがそれに合わせたのかもしれません)。
取説を見ても、OFD25を使うならRF297を使えとなっていました。私が軽率だっただけですね。
さて、残念なことにRMA297ではOFD25は使えないことになりました。
ガッカリしましたが、先に乗せたEMT針の諸元を見ますと、TMD25という自重、出力、インピーダンス、適正針圧のすべてがTSD15と同じヤツがあることを知りました。
次は貯金してTMD15を狙いましょう。
このカートリッジは開発年度がTSD15と同じ頃ではないかと思います。それに諸元もTSD15とほぼ同じです。
それなら、縦方向のコンプライアンスもあるかもしれません。
その方が間違えてステレオLPをかけても安全なのでbetterですが、さあどうでしょうか。
LP演奏中の新型TSD15です。カートリッジシェルの上側のプレートが金色なのは楕円針、銀色は丸針らしいです。
ウチのは楕円針のTSD15ですね。
昔の記憶ですが、EMT927Dstを愛用されていた山中敬三先生は、たしかSPU-Aを927で使われていたはずです。
アームをRF297にしておられたのかもしれません。
さて菅野沖彦先生が亡くなられたそうです。
先生は華美な文章を書かれる方ではなく、オーディオ評論より録音技師としての評価が高かった方かもしれません。
ハンサムで、弟はジャズプレーヤーで、ポルシェを乗りこなし、パイプたばこを愛されたダンディな方でした。
でも同時に大変な苦労人でもあられました。自伝の「僕のオーディオ人生」を読むと、録音技師として一本立ちするまでの大変な苦労の日々が綴られています。
ご冥福をお祈りいたします。合掌。
それにしてもこれでステレオサウンドの初期の評論家メンバーは柳沢功力先生一人だけになりました。
瀬川冬樹先生、長島達夫先生、山中敬三先生、上杉佳郎先生、岡俊雄先生、黒田恭一先生、朝沼予史宏先生、岩崎千明先生、井上卓也先生、皆さん鬼籍に入られました。
ライターではありませんでしたが、五味康介先生も。
ステレオサウンド創業者、初代編集長、現在もオーナーでおられる原田勲氏がお元気なことが有難いですが、季刊ステレオサウンド誌が200号を超え、紅顔の美(?)少年だったベンプレ親父が還暦になるのですから、これも仕方のない事です。
せいぜい長生きさせていただいて、音楽とオーディオを楽しみたいですが、こればかりは「神のみぞ知る」ですから。
この記事へのコメント
確かに古いオルトフォンのカートリッジは30g以上ありますから、EMT927を使われている方でモノラルを聴かれる方には、RF297など、2本アームにされているのではないでしょうか?
TMD25については、モノラルとはいえ旧型とキャラクターが違いすぎて戸惑われるかもしれませんね。
あそうそう、原田さん宅には先生がお使いのロンドンWEの機材があるそうですね。
なにしろゲルピンですので、OFD25にアダプターを取り付けて、SPUの付くジェルコのロングアームに付けてみようかとも思います。
昔6.5諭吉で新品を買って使っていたRF297を、中古で20諭吉で買いなおすのも気が進みませんしねーw
TMD15はTSD15の結線違いじゃないかと思うのですが。
それならそれで、一通りの音はするかもしれませんね。
いずれにせよTMD15、行くにしても、だいぶん先ですね。