ウエスタンエレクトリック13Aレプリカ&WE555導入記 その3.

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 (ネットにあったWE13Aの図面です)

 その後ブログを通じて大阪のAさんと知り合いになり、Aさんを通じて、WE15Aを使っておられる京都のBさんとも相互訪問をしました。
 Bさん宅で、福岡で聞いた13Aレプリカの音がとても良かった話をしますと「その人知ってます。大阪の笹本さんです。来週末に笹本さんの工房に遊びに行くんです」と。
 うーむ縁は異なもの、私も笹本さんのお宅に、別な日にお邪魔させていただける事になりました。

 さて私はウエスタンはウエスタンでもロンドン・ウエスタンを使っていて、アメリカのウエスタンエレクトリックには詳しくありません。昔本で読んだ知識や、最近ネットで見た知識に想像や妄想を加えて中途半端な文章を書いてみます。
 マニアの諸先輩には既知の事項ばかりでしょうが、私はウエスタン初心者なので、自分の知識の整理のためにグダグダ書きますよーw

 日本でウエスタンエレクトリックといえば、なんといっても故・池田圭先生でしょう。「音の夕映」、「盤塵集」に書かれておられますように、先生は日本で最初にウエスタンの機材、WE15Aホーンをオーディオ用として家庭に持ち込まれた方でした。
 現在ではウエスタン専門店が複数存在するなど、ウエスタンエレクトリックのトーキー用機材はオーディオ用途として高い評価を受けるようになり、国内でレプリカを作るメーカーも多数現れましたが、全ては池田先生の15Aから始まりました。

 WE15Aは曲げやすいように繊維の方向を一方向に揃える特殊な貼り方をしたシナベニア合板を湾曲させて作ったカールホーンでしたが、ウエスタンには合板でない無垢材の組み木大型ホーンが存在しました。15A以前、1927年、初のフル・トーキー映画「ジャズ・シンガー」が封切られた年に発表されたWE12A、WE13Aです。

 WE12Aは15Aと同型の渦巻き型のカールホーンです。開口部サイズはW45インチ、H45インチ、ホーンの奥行は47インチで、15Aホーンの開口部W56・3/8インチ、H57インチ、奥行53・1/8インチと比較するとサイズはやや小さくなります。

 これに対しWE13Aは渦巻き型ではなく折り返し型のフォールデッドホーンで、サイズは開口部W62インチ、H42・1/2インチ、奥行56インチとウエスタンエレクトリック歴代最大のホーンで、そのカットオフ値も57Hzと12Aの67Hzより10Hz低くなっています。
 12Aの音道の長さ3.35mに対して13Aは4.27mもあるそうです。

※笹本さんの工房にお邪魔し、現物のホーンに巻尺を当てて計測していただいたところ、13Aのホーン長はさらに長く、鉄製のスロートを含めると4.85mでした。

 気柱共鳴管の場合、ドライバーが最低域まで鳴らせるのなら、音道4mでは21Hzが出せますから、13Aで57Hzが出ても不思議はありません。
 三上先生のHP内の新先生の記事の引用によると、13Aの低域は50Hzまで伸びている様です。

 なんとなく大型振動板でなければ低音は出ないような気がしますが、小型の振動板で低音が出にくいのは、振動板に押された空気が横に逃げてしまうためだそうで、そこを大型ホーンでがっちり逃がさなければ振動板が小さくても低音は出るらしいです。

P.S.1.
 ベンプレ親父が15Aホーンですこし不思議に思っていることがあります。映画館のスピーカーはサウンドホールの開いたサウンドスクリーンの裏側に設置されていました。
 スクリーンは定期的にスクリーン塗料が吹きつけられていましたので、劇場で使用されていたアルテックやロンドン・ウエスタンのスピーカーにはスクリーンのサウンドホールを通して漏れてきたスクリーン塗料の白い斑点が、吹雪のように着いている物が散見されます。

 しかし15Aホーンでスクリーン塗料の白い斑点がついているものは見たことがありません。15Aはアルテックやロンドン・ウエスタンと一時期並行して使われていたはずですが、なぜ15Aには塗料の斑点が無いのでしょうか。

 「アルテックA4やロンドン・ウエスタン2080A、2090Aは粗末にされていたが、15Aは大切にされており、塗料吹付時には養生されていた」などという文書も見たことがありませんし、どちらも業務用ですから、取り扱いが変わるとは思えないのですが。
 むしろウーハー(515、2080A)の振動板が露出しているA4やロンドン・ウエスタンこそ養生すると思うのです。

 15Aは映画館からお暇を出されたあと、どれも全て再塗装されていたのでしょうか。
 A4やA5の箱は、塗料の白斑点のある方が「映画館で使用されていた証拠だ」と価値が高いとされています。それなら15Aも同じでは。
 ビンテージショップならいざ知らず、好事家が(池田邸スタジオの15Aの様に)映画館から直接手に入れたものなら普通は再塗装はされないでしょう。

 どうして15Aにはスクリーン塗料の斑点がないのか、ご存知の方は、コメント欄にお知らせくださいますと嬉しいです。

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